story
No.56 森のなかの花園
フラワーフォレスト柄の所以は、わたしが子供の頃に出会った物語にあります。 ひとりの少女の止まない空想や彼女を取り巻く人々。
改めてこの物語のなかに身をおいて、広がる森のなかにあるお気に入りの場所を思い、描きました。
当時、私はまだ子供で彼女の心にもつ深い傷や聡明さを理解することはできませんでした。
「こまっしゃくれた、口のへらない…」彼女のことをそんなくらいに思っていました。ごめんなさい…。
大人の理不尽さや、差別、暮らしの格差、衝撃を覚えることもたくさんありましたが ただ美しい景色ときびしくも丁寧な暮らしは小さな私の胸をときめかせたことを記憶しています。
緑の深い森は静謐を湛え、そのなかでひとしれず、奥ゆかしく咲く名もない野花の風景は私のなかで、あるアイルランド民謡とかさなってこの柄はできあがりました。
赤毛の少女の果てしない空想の世界の森の花々たち。
平真実
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