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story

No.64 Plis & Dentelles Nostalgie 記憶のかけら

幼い頃に大切にしていた人形がある。
実家でそれだけは捨てずマホガニーの飾り棚の奥にひっそりと飾られていた。
それは長い金色の巻き毛をし、麦わらのカノティエをかぶり、深い草色のワンピースの下にはピンタックのはいったペチコートをはいてレースのズロースを覗かせていた。

散々脱がしたり着せたりをして遊ぶと、漆黒のアップライトピアノの上に戻し… そんな瞬間のマクロな記憶。
レースとタックの細かな細工が覗いてる映像を断片的に覚えている。

重なる布のテクスチャーやレース越しに透ける模様や陰影の美しさ。
かつてすべてが手工芸であったレースやタックが生まれたのは美しさだけでない、なにか理由があったのかもしれない。今考えれば果てしなく手間で時間のかかることだから。


年を重ねるということは遠い記憶をたぐりよせ今の自分に紐づけながら腑に落ちながら鼓舞しながら、はかない日々を慈しむ…。 記憶のかけらをあつめながら今の自分が形成されていることに気付かされることがふえた。
今の自分の言い訳のようなものかもしれないが。

その細かな細工に魅了されていたあの頃、自分が今こうして具現し纏えるなんて想像していただろうか。

合理的で単純化されスピードだけが優先されるからこそ「凝っていて面倒くさい」けど、こんな風に時代に逆行しノスタルジーに回顧してみるのもいいと思う。


平真実

ワンピース《サリー》は、
2/6(金)よりリゼッタオンラインブティックでご紹介予定です。

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