story
No.28 リゼッタのニット
山形県のりんご畑に囲まれた自然豊かな地で、私たちのニットは作られていました。
室内には使い込まれた手横編み機が並んでいます。
国内ではほとんど見かけることがなくなった手横編み機。
コンピューター制御された自動編み機とは異なり、電力を一切使わず、職人の技術と感性を頼りに編み進めていく編み機です。
私たちのニットを作り出しているのは大野メリヤス2代目の大野政(まつる)さん。
「もっとふんわりと」「もう少しやわらかく」
抽象的な言葉の中にある、私たちのこだわりや想いを豊富な知識と技で、見事に「かたち」にしてくれる数少ない職人さんのひとりです。
目指す風合いを想像しながら、それぞれの糸にあわせてスピードと力加減を調節して編んでゆきます。
全行程を自分たちの手で行う大野さん。
ワイヤー起毛が主流の今日、大野さんは天然のアザミの実を使用するアザミ起毛で仕上げ工程を行います。
強い毛羽を立たせたいときには工具用の鉄ブラシを手に、一着ずつ理想的な起毛になるまで自らの手で作業を行うこともあるそう。
首裏の美しい仕上げ。
目立たないところだけれど、いちばん肌に触れる大切な部分。
“使い手が心地よく着られるように”
あたたかな心遣いを随所に感じ取ることができます。
袖を通した時にあたたかさを感じるのは、
素材のあたたかみだけではなく、人の手のぬくもりを感じるからかもしれません。
Lisetteをはじめたときから大切にしている想いを、アイテムひとつひとつから感じとっていただけたら幸いです。