story
No.19 すみれ
南フランス・・・コートダジュールとグラースのあいだにある小さな村は 、昔よりスミレの栽培が盛んです。
スミレといえばトゥールーズが有名ですが、年に一度、スミレのお祭りが行われるのはこの小さな村です。
お祭りの日、村ではたくさんのスミレの花束が売られていて、その日誰もがその花束を買ってみな春の到来を喜びます。
数十本の花を葉で囲んだ愛らしい花束。
これは小さな花を傷つけない古くからの運搬テクニックなのだなと気づいたのはすこしあとのこと。
最近はほとんどがハウス栽培で地植えは少なくなりました。
収穫した花は数十本を独特の束ね方で花束にし出荷されます。
多くはその香りを抽出するために使われ、砂糖漬けあお茶、ボンボンや石鹸などその花、香りは末永くいろいろなかたちで親しまれています。
古いみやげものにはスミレを手描きした木箱や愛する人に美しい南仏の思い出を送るのでしょう、
直接切手を貼って送ることができるスミレの苗を送るボックスなどを見かけます。
ある日こんな小包が届いてたらなんて素敵なんでしょう。
紫色の可憐で楚々としたその花束を胸いっぱいにかかえた花売り娘、
砂糖漬けの紫色の花びら・・・
リゼッタのスミレ祭りへようこそ!