story
No.10 白いシャツ
立春が過ぎて、暦のうえでは、もう春です。
今は雨水。冷たい雨の日がふえ、まだ突然、雪になったりするけど、
乾ききっていた地面はたくさんの水分をふくんで、やがて芽吹くいのちの糧となる。
こんなに気温に敏感になる時期ってないんじゃないかって、勝手に思っている。
虫が顔をだしはじめる時期を 啓蟄 というけれど、人ももう寒さには飽き飽き。
ぬれた地面から土のにおいがして、なんとなく春を感じに外に出たくなる。
寒さが何日かに一度、ゆるんだと感じたその日は、ボーダーか、白いシャツに袖を通し まだちょっと早いか、と思う気持ちをうちけして出かけてしまい、身をすくめて、歩いたことは、ないだろうか。
リゼッタの白いシャツたちは、デザインによって厚さや折りなど、使いわけ、真っ白からくすんだ白まで、染め分ける。
粗野な感じで洗って洗って着てほしいリネン。
透け感があってふわりと女性らしいリネン、目が詰まった清潔感のあるリネン。。
ベルギー、イタリア、アイルランド・・・。
ピンタックとったり、ギャザーをよせたり。
どこに行こう、今年も、春一番が吹いたら白いシャツを着て。