story
No.39 レースのおはなし
フランスはパリからTGVを乗り継いで2時間半 静かな町の中心にあるレースのミュゼ。
この土地は1200年頃からリネンの栽培がおこなわれ、産業革命時にイギリスからレースの織機が入ることによって レースの町とよばれるほどになった。
レースの歴史は古く貴族の紳士がこぞってレースの装飾品を身に着けていた。
そして18世紀女性たちのドレスを飾ることでまたたく間に広がることになる。
そもそもレースはすべて人の手でつくられていた。
それが産業革命の頃イギリスのリバー織機の誕生によって大量のレースを安価に作ることが可能となり、レースは広く民衆に広がっていくことになる。イギリスではレース産業は衰退し、この町もかつては20軒以上のレースの工場があったが今は数件を残すのみだそう。そのころからこのイギリス製の織機は変わらずに今も動き続けている。
蚤の市で出会うレースをルーペで見ると手編みされているものに結構出会う。
女性のたしなみとして学校で習ったであろうレースの編み地を綴じたノートなんかもみつかることもある。
女性たちは服やリネン類、あらゆるものをレースでかざり楽しんだ。どの時代も美しいレースに人は惹きつけられてきた。
リゼッタの使うレースは決してはなやかなものではないけれど、子供の頃 応接間のソファや大切にしてたお人形についてるレースにいっぱいの想像力をひろげていたことを思い出す。
そんなどこか懐かしいレースがいいなと思っている。