No.42 日本ホームスパンを訪ねて

No.42 日本ホームスパンを訪ねて

北上山脈と奥羽山脈のあいだ 耳を澄ますと宮沢賢治の「星めぐりの歌」が遠く風に運ばれて聞こえてくるようなそんな田園風景が広がる岩手県の花巻市。日本ホームスパンを訪れたのは新緑が眩しい爽やかな風が心地よい季節。リゼッタの冬のコート地が丁度かかる時期にお邪魔した。

ションヘルといわれるゆっくりとした織機の音が鳴り響く機場には100年以上使っている手織機2台、シャトル機7台があり、つねに下工程があるためそのうちの4台が常にフル稼働している。

シャトル機はいわゆる手織りの機械の動きを自動化したものでここでは通常のシャトル機のスピードをさらに落として意匠糸や撚りの甘い糸を生地にしたてているため、目に見えるスピードで横糸がはしる。
今回お願いしたコート地はこの4色の横糸で模様をだしていて、その織機には常に人がつききりで目をひからせ作業していても1日に125mしか織れない。

そして現代には似つかわしくないゆっくりな機で織られた生地は、空気を含んだような手織りにのような風合いに仕上がる。こちらの生地はいささか値がはるのだがこの工程をみれば納得する。近頃は複雑で高速な日々を過ごすなか、単純で低速だが細やかで繊細な仕事はなにものにも代え難い宝物のような気がする。

傍らではリゼッタが依頼した来春夏のサンプル生地の経糸をたてていた。リネンにふっくらとした模様がはいる予定だ、こちらも楽しみである。

平真実






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