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story

No.8 タータン



今シーズン、スコットランドにある小さなミルに、3種類の生地をお願いしました。

タータンの歴史を紐解くと、必ず出てくるケルトという言葉。
ケルト音楽といえばアイルランドを連想するし、 スコットランドとアイルランドの文化的背景の違いなど、色々考えてしまいます。

ケルト人はローマ帝国以前から存在したものの、中世、近世の国家の形成を経ても、民族として国家として一つの単位になることはありません。

ただ、アイルランドやスコットランドなどでは、ヨーロッパの辺境にあったために、現在の国境を超えてケルト固有の古い文化や伝統を継承しています。





そしてフランスのブルターニュ地方も、プリテン島からケルト人が移り住み(ブルトン人と呼ばれる)、また辺境であったためにその固有のブルトン部などのケルト文化が保存されている地域です。

今回のタータンはそんな話からブルターニュとつながったのですが、これからも大切にしたい伝統のひとつです。

タータンはもともと戦場で敵と見方を見分けるためでもあったと言われ、氏族や軍隊などの組織を象徴し、団結を高めるために受け継がれてきました。 また地位や身分によって、使える色や色数にもきまりがあったようです。

スコットランドのホテルで行われる結婚式のパーティーでは、タータンキルトの正装の男性をみることができます。





今回使ったタータンは、ブラックウォッチ、ラムゼイ・レッド、ダークアイランド・ブラックの3種です。

ブラックウォッチは18世紀初頭に始まった軍隊のために作られ、最近ではとてもポピュラーなタータンになりました。
ラムゼイ・レッドはスコットランドのロシアン地方の有力氏族の名前に由来しています。
その柄は1842年に発刊された本の中でも確認できますが、その起源はさらに古いと思われます。
ダーク・アイランド・ブラックはジャカード織りを加えた、正装に用いられるシックな黒色で、それほど古いものではありません。

昔のタータンの様々な柄は、その土地に自生する植物からとれる染料を使い、その土地の景色を再現するようなものでした。
また羊毛が豊富に使えるようになる以前は、タータンといえばリネンであったそうです。







今回お願いしたスコットランドにあるマクノートン社は1783年創立の古い織物会社です。
スコットランドで今も、羊毛を中心とした織物業が残っているのは、スコットランドの豊かな水資源、それも紡績に適した柔らかい良質な水のおかげだそうです。

いろいろお話を聞くなかで、次回はリゼッタオリジナルのタータンを作ろうという話も。。




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