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story

No.36 Lisette×moonSTAR

12月中旬、リゼッタのスニーカーがちょうど製作中ということで、

福岡・久留米市にあるムーンスターの工場を訪問しました。

Lisette×moonSTARのおはなしの第2話では、工場の内部や製作の過程についてご紹介します。


 

大正6年(1914年)に建てられ、近代化産業遺産にも認定されている建物。

今でも社長室や応接室として使われています。

このお向かいに、スニーカー作りが行われている のこぎり屋根の工場が立ち並んでいました。

 

 

スニーカーはまずはゴム作りから。

 

 

これは天然ゴムの塊。

天然ゴムは弾力性はありますが、寒いと固まりやすく油に弱いという特性があるため、

合成ゴムや硫黄を加えていきます。

 

 

くるくる回るロールに原料を入れ、

時折職人さんがナイフで切れ目を入れながら混ぜ合わせると、

見る見るうちに表面がなめらかに。

スニーカーには数種類のパーツがありますが、

パーツごとにゴムの配合も変えているのだそうです。

 

 

リゼッタが選んだ生地はアンティークホワイトとノアールのリネン。

強度を増すために、生地を2枚貼り合わせています。

 

 

20万人以上の日本人の足型をもとに作り出した靴型。

靴型にスニーカーの生地の部分をかぶせ、中底をつけて、

ペンチのような道具で生地をひっぱりながら中底に接着していきます。

多くの海外生産のスニーカーはこの工程を機械で行いますが、

人の手によって包み込むことによって足入れしやすいゆとりを生むことができ、

甲高幅広の日本人の足に合った履き心地のよい仕上がりになるのだそう。

 

 

(中敷きには、リゼッタの定番シリーズの「Les Basiques」のロゴが。)

 

その後、つま先や靴底、それらを接着するテープなどのパーツを順番につけていきます。

接着剤もゴムに溶剤を混ぜたオリジナルで、はがれにくい工夫がされています。

 

 

これで出来上がり、のように見えますが、この段階ではゴムは強く伸ばすと切れてしまうほどまだ柔らかい状態。

この後、窯に入れて加熱します。スニーカーが窯に入れられるなんて思っていなかったのでびっくり!

 

 

130℃で60分、加熱・加圧することでゴムの弾力性が増し、靴底やそれぞれのパーツがしっかりと接着されます。

 

 

窯から出てきたスニーカーは、焼きたてのパンのようにほかほか。

30分冷ました後、ひとつひとつ検品し、白と黒2種類の靴紐を付けて、箱におさめられました。

あとはリゼッタに届けられるのを待つばかりです。

 

 

今回、訪問してわかったのは、スニーカーはほとんど手作業で作られているということ。

4~5名のスタッフの方がそれぞれ2~3工程を担当して、リゼッタのスニーカーは作られていました

。使用している機械も故障時にすぐに修理できるよう自社内で製造していたり、

靴型は女性でも作業しやすいように軽量のアルミニウムで作られていたりと、

あくまでも機械や道具は人の手作業を助けるものとして工夫され、

できるだけ自分達ですべての工程に責任を持とうという想いが感じられました。

 

「moonSTAR」というロゴに小文字と大文字が混ざっているのは、

「子供から大人まで愛用してもらえるように」という意味がこめられているとのこと。

月星シューズの上履きにお世話になっていた小学生の頃、そして時を経てムーンスターと社名が変わった今、

リゼッタのスニーカーを履けることにわくわくしています。

 

 

 

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