画家・イラストレーター 鈴木恵美さんインタビュー

今回は鈴木恵美さんに、作品制作の過程や描く時に大切にしている思いについて伺いました。

LISETTE:鈴木さんの作品に出会ったとき、なにかのモチーフをコラージュしたような作風と温かみのある色彩に惹かれました。実物を拝見すると、表面がぼこぼこしていたり、ひっかいたような跡が見られたりします。どんな画材を選び作品は仕上げられていくのですか。

鈴木さん:アクリル絵具とジェッソを使って何色も絵具を塗り重ね、引っ掻いたり剥がしたりを繰り返しながら制作します。ぼこぼこした絵肌はその作業と紙の質感から生まれたものなんです。
モチーフは身近なものや、どこかで目にして印象に残っている形がほとんどです。
元々長く使ううちに生まれる色褪せや錆などの質感が好きで、自分の作品でもそのような雰囲気が出せないかと試行錯誤してきました。
時を経たからこそ生まれる優しく温かな色が出せるよう日々研究しています。

LISETTE:鈴木さんの作品はタイ産の手漉きの楮紙(こうぞがみ)を使っていますが、初めて耳にする紙でした。どのようなきっかけでこの紙を選んだのですか?

鈴木さん:凹凸のある質感を出すため、はじめは画用紙にティッシュを貼ったりしていました。ある時、偶然ラッピング用で売られていたこの手漉きの楮紙に出合ったのですが、少し厚みがあって引っ掻いたりしても丈夫だったのです。
「楮」は日本の和紙にも使われている原料なのですが、日本のものよりちょっと荒々しい作りで私の出したいイメージにもぴったりでした。それ以来ずっとタイから取り寄せています。

LISETTE:鈴木さんの作品を拝見していると綺麗な下書きがあってそれに沿って描いていく、というよりも即興性というのかライブ感が伝わってきます。実際はどうですか。

鈴木さん:その通りです! はじめになんとなくの雰囲気だけ頭の中に出来ていて、下書きなどはせずに一気に描き始めます。最初のイメージから変形していったり、抽象的になったり、意図しない形や色になることを楽しんで描いていきます。

LISETTE:鈴木さんがいつも作品を作る時に大切にしていることはどんなことですか?

鈴木さん:さあ描くぞ!という瞬間に、頭に浮かんでくることを描いているので、モチーフはいつも身近なものです。動物と、食べることが大好きなのでよく描いています。好きなものや好きな形を自然体で描いていく、というあまり力まないスタイルが自分には合っている気がします。

LISETTE:最後に今回の展示では私たちの秋冬コレクションのテーマの一つでもある「イソップ寓話」をもとに、鈴木さんなりの寓話の世界を描いていただきました。どんな世界が見られそうでしょうか。

鈴木さん:イソップ寓話については、いくつか知っているものはありましたが、今回展示のお話をいただいて、あらためて本を読んでみました。イメージしていたよりも風刺がきいているというか、子供向けと思っていましたが、結構毒がある面白いお話がたくさんあって、これはいい絵が描けそうだ!とわくわくしながら制作しました。大好きな動物たちが主役の作品も多く、絵のイメージを作りやすかったです。
私の絵からイソップ寓話の可笑しい話、変な話とか、かわいかったり、腹が立つような動物など、想像して楽しんでいただけたらうれしいです!

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