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No.54 リネン(亜麻)のはなし



夏の暑い日。洗濯したての麻のシーツを広げて大きすぎる四隅を織り込みベッドに倒れこむ。ひんやりと伝わるさらっとした肌触りにうっとりとする。これだから亜麻はやめられない。

子供の頃、麻(大麻)の夏布団に身体を入れ、まだ体温の伝わっていない布団の冷たいところを探して涼を求めていた。水遊びしたあと拭う、綿のタオルの気持ちよさ。そうやって子供の頃から天然素材の気持ちよさを肌で記憶していたのだと思う。

旅先で出会ったさまざまな亜麻(アンティークリネン)たち。シーツ、ナイティ、トーション、ナプキンetc...。古人たちの日常に思いを馳せながらお話しします。





よく見ると生地幅が狭く、2枚を真ん中で接ぎ合わせて1枚のシーツに仕立てている。突き合わせて縫いあわせているのは、なるべく肌アタリを良くしたいと思っているのか、なるべく広くしたいと思ったのかはわからないけれど、手縫いで細かく接ぎ合わせていることに感服します。そして今こうして使っていても、その接ぎ目はびくともしない。

真ん中が身体で薄くなると左右を入れ替え、接ぎ合わせて使っているなんてものもある。そんな古人の暮らしを垣間見るのもアンティークの楽しみ。年代は違えどもリネンのシーツは日常の贅沢のひとつ。







これは古いナイティ。
昔の織物は生地幅が狭いし、時代的にまだプレタポルテ(量産品)が出回っていない頃、家庭で手縫いでつくっていたのでしょうね。生地幅目一杯を使い、直線裁ちで着物のようなかたち。すこし親近感が湧いてしまいます。


そして私が実際に着てるのはもう少し時代はあとになるもの。服らしいかたちになってきています。肌触りがよく、本当に気持ちよく眠れます。



キッチンタオルやテーブルナプキン、ハンカチなどの四角いリネンたち。柄織りやモノグラムの刺繍などが入っています。嫁入り道具として揃えたとも聞いています。



古い亜麻は今のものより少し肉厚でシャトルで織った素朴な風合い。なのにどこかおくゆかしい気品のようなものさえ感じてしまうのは生活用品でありながら民芸の基本でもあり、紛れもなく人の手がつくりだす糸の芸術だと思う。

平真実





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