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2025年3月21日

「ao jewelry」デザイナー小林マユさんインタビュー

3月上旬、二子玉川のカフェリゼッタでao jewelry(アオジュエリー) デザイナー小林マユさんにお会いました。以前、マユさんにインタビューをしたのは7年前。流れゆく月日のなかでマユさんが今想うことをフランクに伺いました。

（左:リゼッタあらかわ　右:マユさん）

Q:「ao」のものづくりで「ここは昔から変わっていない」と感じる部分はありますか？

A:　水面や貝殻、雨のしずく、など、身の回りにあって馴染みある美しさを、ジュエリーに落とし込みたいと思っています。外に向けた装飾品ではなく、持ち主様と親密な関係を築けるもの、どちらかというと思いの矢印が内に向いたものを作りたくて、それは当初から変わっていないですね。

Q:　では「変わってしまった」と感じていることは？

A:　デザインの面で、力こぶが無くなってきたというか、柔軟になってきた気がしています。はじめた頃は、具体的になにかの形をモチーフにすることは、表現として単純すぎる気がして、抵抗がありました。でも今は、単純さはプリミティブにも通じるし、全然いいよね！と考えられるようになり、デザイン幅がひろがってきたと思います。

今回、リゼッタでのイベントでお披露目する新作は「Ribbon_01 Ring」ですが、

(上:Ribbon_01 Ring)

春の軽やかな気持ちと新しさへの畏敬のような感情を表現したくて、頭に浮かんだのが「シルクのリボン」でした。大人が身につけても可愛くなりすぎず、着けていて心軽やかに楽しくなるようなものを目指しました。具象的なモチーフを、自分で課題を設定して取り組む事が、最近は楽しいです。

Q:　マユさんが感じる「アオ」の魅力とは？

A:　お客様から本当によく仰っていただくのは、写真より実物の方が良いというお言葉です。実際に手にとった時に、なにかを感じていただけることがあるのかなとありがたく思っています。

感情が湧くものであれたら、それが一番ですね。

Q:　イベントのたびに新作が誕生してる気がします。
作りたいアイディアがどんどんひらめいてくるのでしょうか？

（上:マユさんのスケッチブック）

A:　今回の新作のリボンもそうですが、こんな感じ、こんな気持ち、という言葉にならない感情がまずあって、それを「もの」にするために、手で形を探って、その後に強度や使いやすさを頭で考える流れで、デザインしています。何かしらの感情が最初にあれば、あとは割と自動的な感じです。

生活をしていれば、いやでも喜怒哀楽の感情にさらされるので、その感情があれば、これからも新しいものは多分出来る気がしています。

Q:　感情からはじまるから、温かみや親しみを感じるのかもしれませんね。

A:　はい、親しみというのもジュエリーにあったらいいなと思っていて、親しみは、デザインだけでなく、お客様が選ぶということでも生まれるものだと思い、ao jewelryでは、選べる金種が多く、イヤカフでは仕上げもマットかツヤをお選びいただくなど、たまにお客様を迷路に誘ってしまっている気もするのですが… 選ぶことも受注会では楽しんでいただけると嬉しいです。

Q:　ダイヤを選ぶリングもありますよね。

A:　はい、国際的な4Cの基準でグレーディングされたダイヤを数点揃えて、お選びいただいています。お店では実際にダイヤを指に当ててご覧いただけます。石からお選びいただくことで、持ち主様とより親密なリングになれたらいいなと思っています。