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ためしてほしいリゼッタの下着 私たちがつくり続ける理由
コットンリネン素材の下着は10年以上前にご紹介をはじめ、少しずつ改良を重ねながら現在に至るまでつくり続けてきました。こうしてつくり続けてきた理由をリゼッタのディレクター平に聞きました。
リゼッタの下着 誕生のきっかけ
- スタッフ
- 最近は服のブランドが下着をつくるということもよくあることのように思いますが、10年以上前は服のブランドは服、下着は下着メーカーのつくるものというイメージが強かったように感じます。 そんな中で下着をつくることになったきっかけは何ですか?
- 平
- リゼッタは「肌触りのよいベルギーリネンを服にする」ということから始まったブランドだから、自分自身ますますベルギーリネンを着る機会が増えました。 そんな中、服は気持ちいいベルギーリネンなのに、下着は化学繊維のままでいいのかな?と疑問を感じるようになって。
せっかくの服が気持ちいいものでなくなってしまうし、肌にいちばん近い下着がベルギーリネンだったらいいのになと思ったことがきっかけです。
- 平
- あとは、以前勤めていたアパレルブランドで古い丸編みの下着をつくっていた経験があり、脇に縫い目がなく、リブ編みからメリヤス編みに続けて編み立てられていて、裾あげもない、美しい下着。これをリネン糸でやれないかなと。
▲リゼッタのコットンリネンの下着を編んでいる丸編み機
無いから 欲しいから つくる
- スタッフ
- 現在リゼッタの下着は7種類のラインナップでご紹介しています。
- スタッフ
- その中のタンクトップ、キャミソール、キャミソールワンピースはアパレルブランドがつくる下着のラインナップとしては納得のラインナップです。 わたしはこの下着のシリーズがはじめて発表されたときにちょうどリゼッタで働くことになったのですが、とくにペチパンツがすごく新鮮でした。
商品ラインナップはどんな考えで決めていったのでしょうか?
- 平
- みんなはどうしてた?パンツ1枚で服を着ていたときにどうしてた?透けないように何かしてた?
- スタッフ
- リゼッタで働く前は化繊のペチコートを履いたりしてましたね。
- 平
- そうそう。せっかく肌触りのいい服を着てるのに、急にその下に化繊のペチコートを履いてる人が多い。というか、そういうものしかなかったし。 自分がつくる立場になってから、無くて欲しいものはつくろうと。そんなふうにラインナップを決めていきました。
麻の下着っていう概念が今はあまりないけれど、昔の下着はほとんどが麻。昔からあったものだし、ベルギーリネンってすごく気持ちいいからつくってみました。
実際にできあがったペチパンツは汗を吸ってくれるし、通気性もいいから履いた方が気持ちいいくらい。わたしはペチコートよりペチパンツのほうがおすすめ。
- 平
- 麻のものを着ていると涼しそうに見えるけど、透けないように裏がついていて、それが化繊だったら意味がないでしょう。 人に対して見えないように化繊の下着を身につけて、じゃあ自分はそれでいいの?って。
自分を甘やかすためにつくっているようなもの。不快なものが窮屈になってきて。
若いときは元気だから気づかないけれど、出産、子育て、閉経など女性は年齢とともに自分の身体に対して敏感になっていきますよね。そうして、自分を甘やかしたくなる。かといっていい年なのでだらしなく甘やかすわけではなく、着心地のいいものを身につけて甘やかしたいなと思って。 - スタッフ
- そうやって聞くとリネンの下着って理にかなっているけれど、概念としてなかったですね。
心地よく、機能的な素材とテンションの上がる色で
- スタッフ
- コットンリネンのジャージー素材も薄手リネンの生地も今となってはお馴染の素材ですが、素材選びのポイントは何だったのでしょうか?
- 平
- 下着づくりで使いたいと思った丸編みの機械が繊細で、本当はもっと太い糸のほうが編みやすいのだけど、薄い生地に仕上げたかったから細番手でリネンの入っているものというところで探してました。
リネンの下着をつくりたいという気持ちはもちろんあったのだけど、メリット・デメリットがあるから必ずしもリネン100%がいいわけではなくて。 コットンのほうが生地が安定するし、洗濯しても型崩れしない。
そんなわけで、素材感を感じるくらいにリネンを入れて、コットンの安定感も取り込んだ、いい混率で理想の厚みのジャージー生地にたどりつきました。
あとは、いかにも下着というかんじのベージュだとテンションあがらないから、女子のテンションをあげる色出しを意識していて。 肌色に近いけれど淡いピンクのフォギーローズと、真っ黒じゃなくてちょっと赤みのある墨黒。今はその2色展開になりましたね。
リゼッタの下着 これからのこと
- スタッフ
- こうして10年以上続けてきたリゼッタの下着。これからどうしていきたいと考えていますか?
- 平
- 経済的な話になるけれど、下着って消耗品だから本当はもっと値段を抑えたい。 けれど、つくっている機械が日本に限られたところにしかなくて、これ以上の数をつくることもできないかもしれない。 価格を下げるのは、ちょっと難しそうという現実にぶつかってます。
数もつくれない。素材も安くない。だから下着としては少し高額ですよね。 なので下着だからといって、がんがん洗わずに大切に着続けるようにお手入れしてほしい。 いいものだから長持ちするというものでもないんです。やっぱり消耗品だから。だからこそ大切に。
- 平
- あと、アイテムのバリエーションを増やしたいとは思ってます。 ただ、機械がこんなだから、この綿麻の素材では難しいかもしれないな。 素材を変えて…例えば強捻のコットンでシャリ感のあるものとか、ラムウールを使ってとか。やってみたいことはたくさんあるので、試行錯誤は今後も続けていきます。
- スタッフ
- 平さん自身の試行錯誤も続きますが、お客様のご意見もうかがいたいですよね。
- 平
- そうですね。ペチパンツの着丈はお客様やスタッフの声を聞きながら長くしたり、短くしたり…。最終的に今の長さに落ち着いたりという経緯もありましたしね。
- スタッフ
- はい。一時、ショートパンツみたいな短い丈になったり(笑)。
- 平
- コットンリネンの下着であれば、巾は変えづらいのだけど、着丈については融通が聞くので、今後もご意見いただきたいです。 あとは、こういうシーンやスタイルで便利とか、こんな下着があったらいいなとか、そんなご意見もうかがえたら。
LISETTEの「Le Linge」コレクションは、「HÉRNI(エルニ)」となって新しく独立しました。
糸からつくり方にこだわり、気持ちよさを追求してきたこのコレクション。
これからさらに、着心地のよい製品づくりを目指し、LISETTEとは別の新しいブランドHÉRNIで展開していきます。
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