日本橋店ではじまった
『INCENSE』～フランスとイギリスから届いた時の贈り物～
イベントに際し、『INCENSE/インセンス』店主 伊藤友江さんにお店のことや買付などのおはなしをうかがいました。

 
① インセンスはお店をオープンして何年になりますか？店名の由来などを教えてください。

2008年の春、鶴岡八幡宮近くの小さなスペースからスタートし、その後数度の移転を経て、今年で18年目を迎えます。

INCENSE（インセンス）は、直訳すると「香水」や「香」といった意味。ですが私にとってはもっと曖昧で、でも確かに感じる“記憶の香り”のようなものをイメージしました。
たとえば、ヨーロッパの石畳を歩いた時に感じる朝露の残るしっとりとした空気や、古い街並みに染み込んだような懐かしい匂い。目には見えないけれどどこか心に残る… そんな感覚を大切にしたくて、この名前を選びました。

② 古いものに興味を持つきっかけは？
記憶をたどると私が10代の頃、鎌倉市内ではよくフリーマーケットが出ていて、スケジュールをチェックしては訪れるのが好きでした。そこに行けば普段はあまり見かけない外国製のとびきり素敵な古いものに出会えて心が躍りました。それが『ヴィンテージって素晴らしい』と思うきっかけになったと思っています。


 
③ 10代のころから古き良き物との出会いが身近にあったのですね。
そうですね。
それと、当時からなぜかフランスに興味があり、フランス語の絵本や雑誌などを読み漁っていました。フランスの紙の地図冊子も確か鎌倉の本屋にはなくて、渋谷の大きな本屋にはあるだろうと買いに出かけたのも懐かしい思い出です。
飽きずにまだ行ったことのないパリに思いを馳せたことも、アンティークに興味を持ち始めたきっかけだと思っています。

 
⑤普段からフランスやイギリスに直接買い付けに行かれていますが、買い付けの愉しみや逆に大変なことは？
やはり古い物との出会いが、この仕事を始めた時から色褪せない愉しみです。
どんな場所でどんな人がこれを大切に愛用していたのか。
何十年かもっと昔かもしれないけれど、当時の職人さんの制作風景を思ったり。それぞれに物語がある物に出会い、私が代表して記憶を持ち帰っているようで、考えるだけでワクワクしてきます。
大変な事は、強いて言えば早起きとものすごい量の梱包と配送です。笑

 

⑤ 今回のイベント直前にもイギリスへ買い付けに行かれていましたね！
そうなんです、今回このような嬉しいお誘いを頂いたこともあり、兼ねて急遽イギリスへ。

いつもよりは短めの期間でしたが、リゼッタの凛としたやわらかな空気感に寄り添うような、古き良き物達を小さな田舎町や蚤の市を巡って連れて帰ってきました。

⑦今回印象に残る買い付けのエピソードはありますか？
ロンドン市内の蚤の市で、いつもセンスが素敵なマダムのお店でいくつかのオブジェやガラスの入れ物を選びました。ところが、そのうちの一点を受け取りそびれてしまっていたことに後から気づいて…すぐに会場の事務局に連絡したのですが、お返事がなく諦めかけていたんです。

ところが数日後、まったく別の大きなマーケットで、そのマダムにばったり！
どうやら事務局が私のことを伝えてくれていたようで、状況も把握されていました。忙しい中でも受け取り忘れた品物をわざわざ持ってきてくださっていたんです。あの時の嬉しさと安堵は、きっとずっと忘れないと思います。

⑧マダムの温かな心遣いが伝わる素敵なエピソードですね。

他にはどんなものが並びますか？

リゼッタの装いを引き立たせてくれるような時を重ねたジュエリーや、旅先で心を掴まれたカゴや食器達など。どれも日々の中で、そばにあるのが嬉しくなるようなものばかりです。
 

そうですか！みなさんにご覧いただけるのが楽しみですね。

 はい、本当に！

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INCENSE
―フランスとイギリスから届いた時の贈り物―
会期:7月30日（水）-8月17日（日）
場所:リゼッタ日本橋店

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『INCENSE（インセンス）』のご紹介
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